死後事務委任契約
ご自身が亡くなった場合、葬儀・供養の手配や役所での各種手続き、各種契約の解約・精算等、さまざまな手続きが発生します。これら死後の事務手続きは通常、親族等の近しい方が行うことになりますが、頼れる方が誰もいない場合はどうすれば良いのか、不安を抱えている方も少なくないと思います。
そうした方の不安を解消してくれる契約が「死後事務委任契約」であり、生前に第三者と契約を結ぶことで、亡くなった際に発生する死後の手続きを代行してもらうことができます。
似たような契約に「事務委任契約」というものがありますが、こちらの効力は原則として本人が亡くなると同時に消滅します。それゆえ、生前対策としてすでに事務委任契約を結んでいる方も、死後の事務手続きを任せられる死後事務委任契約を検討する必要があります。
超高齢化社会といわれる現代において、お一人で最期を迎える方は増加傾向にあるそうです。そうした背景から生前対策として注目されている死後事務委任契約は、安心な老後を送るうえで欠かせない契約のひとつだといえるでしょう。
なお、死後事務委任契約は死後の事務手続きを代行してもらう契約ですが、その内容については比較的自由に決めることが可能です。
あわせて検討したい「任意後見制度」
ご自身の判断能力が不十分となった際に、本人に代わり財産管理や身上監護を行う後見人をあらかじめ選任しておく制度のことを「任意後見制度」といいます。
生前対策としてこの契約と死後事務委任契約を専門家と結んでおくことで、法的な手続きも含めた総合的なサポートが受けられます。
任意後見制度は判断能力が低下してしまうと契約できなくなってしまうため、元気なうちに検討するよう心がけましょう。