熊本相続遺言相談プラザの
相続手続きに関する相談事例
熊本の方より遺言書に関するご相談
2024年10月03日
遺言書を作成するにあたって、司法書士の方からアドバイスをいただきたい。(熊本)
私は熊本在住、60代後半の男性です。去年大病をしたことから終活について考えるようになりました。身の回りの整理をはじめ、遺産についても把握しておこうと調べたりしています。また、終活と言えば遺言書ですので、私も作成しようと思っています。私の財産は、預貯金が数百万円程度と熊本市内にある不動産で、相続人は妻と2人の子供たちになるはずです。3人が揉めることのないよう遺言書で先に遺産の分け方について指示しておこうと思っているのですが、遺言書作成については何の知識もないため、遺言書を作成するメリットから教えていただけると助かります。(熊本)
3種類ある遺言書から、ご自身にあったものを作成しましょう。
原則、相続では法定相続分よりも遺言書の内容が優先されます。遺言書があれば、その内容に沿って相続手続きを行えば良いので、遺産分割協議を行う必要はありません。特に遺産に不動産が多く含まれる遺産分割協議では、その金額が大きくなる可能性があるのと、不動産は分割しにくという理由から、仲の良いご家族でも話し合いがとん挫することがあります。また、仲の良いご家族であるがゆえに欲が出てしまい、本音でぶつかり合うケースも少なくありません。このようなトラブルを回避するには、遺言者がお元気なうちに遺言書を作成します。
遺言書を作成するにあたって、3種類の遺言書についてご理解いただき、ご自身に合ったものを選ぶようにしましょう。
①自筆証書遺言
遺言者ご自身がお好きなお時間、タイミングで自筆にてその内容を記載します。添付する財産目録に関しては、本人以外の者がパソコンで作成、通帳のコピー等を添付することが可能です。費用は特にかかりませんが、遺言の作成方式に厳しいルールがあり、ルールが守れないとせっかく作成した遺言書が無効となってしまいます。また、法務局で保管されていない遺言書に関しては、開封に際して家庭裁判所において検認の手続きを行う必要があります。
②公正証書遺言
2人以上の証人と共に遺言者が公証役場に出向いて、遺言者からその内容を聞き取って公証人が遺言書を作成します。法律の専門家である公証人が作成するため方式の不備がなく、さらに原本は公証役場に保管されるため偽造や紛失の心配がありません。確実でお勧めの遺言書ですが、費用がかかるうえ、公証人や立会人と日程調整を行う必要があります。
③秘密証書遺言
遺言者がご自分で遺言書を作成し、封をしたうえで公証役場に持参します。公証役場において公証人がその遺言書の存在を証明します。ご自身で封をするので遺言の内容を他の方に知られる心配はありませんが、それゆえ方式不備となる恐れもあります。費用をかけて作成しても無効となることがあるため、現在はあまり使用されていません。
確実に遺言書を残したい場合は、公正証書遺言での作成がお勧めです。
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